第54回 第56回

随想第55回

平賀ノブ 心のゆとりを届けたい 東北たばこ販売協同組合連合会 会長 平賀 ノブ

落ち葉を集めて焚き火に手をかざしたくなるそんな日々が続いておりますが、昨今は焚き火をする場所もなくなってしまいました。

「随想 絆」の第1回目が震災から2年目の平成25年1月と聞いております。「絆」も被災した方々へ「一緒にガンバロー」との思いが込められているのでしょう。震災から間もなく6年を迎えます。仙台でたばこ屋を始めて50年、あの時、「たばこ」が無くなりました。JTの主力工場が被災した影響だそうです。徐々に流通が回復してきましたが、月に数回、割り当てられた分しか入荷しません。まるで戦後の配給制のようでした。店頭に出せばあっという間に無くなってしまいます。賞味期限間近の在庫のたばこまで無くなりました。被災地には緊急物資は届けられましたが「たばこ」は含まれていません。

心身ともに疲れ切った被災した方に1本のたばこを差し上げ、その方が一服すると精気が戻ってきた。との話を聞きました。復旧の応援に来ていた方々からも「たばこ」がほしいとの要請がある。との話も聞きました。

「たばこ」はやはり必要なものなんだなぁ、と思いました。人間は緊張の連続には耐えられないものだそうです。張りつめた糸はすぐに切れてしまいます。人間、ゆとりを持つことが大切です。ほっと、一息する時間が必要です。昨今は、たばこを吸う方が肩身の狭い思いをしていますが、上手にたばこと付き合って下さい。

たばこを吸う方も年々少なくなってきており、最近の調査ではたばこを吸われる方は成人の2割を切ったとか。しかし、年代別に見ると30~50代の男性は未だ4割近い方が喫煙者とのこと。60才を過ぎるとたばこをやめる人が多くなるそうです。働き盛りの人は、やはりストレスが多いのでしょうか。また、飲酒を伴う飲食店では5割近い方がたばこを吸われるようです。

最近はたばこを吸える場所が制限されてきています、愛煙家の皆さんのため、「たばこ屋さん」は店の前でたばこを吸える場所を提供していきます。

組合員の皆様のお店で、「店の中は禁煙だけど、店の外になら灰皿を置いてもいいなぁ」と思われている方は、立派な「スタンド灰皿」を無償で提供致しますので、「たばこ販売組合」まで是非ご連絡をお願い致します。

夜寒ひとしおのこの頃、年末を控え、ご家族の皆様ともどもご壮健にお過ごしになられますとともにご商売の繁盛を心よりお祈り申し上げます。

次回は元仙台郵便局長 竹内廣氏