第58回 第60回

随想第59回

照井 潤 「民泊」も「旅館業簡易宿所」も産業として健全に発展していくことを願って サンケミファ株式会社 代表取締役社長 照井 潤

もうすぐ、民泊新法(正式には「住宅宿泊事業法」)が施行されますが、この民泊なるもの、一度は試してみたいと思い、2月の大阪出張の際に使ってみる事にしました。仲介サイトは超大手のエア・ビーアンドビー。サンフランシスコ生まれのこの会社は共同生活をしていた2人の男性が、来月分の家賃を払うのも難しいほど困窮していたときに、展示会などで来る人に自分の部屋に泊まってもらう代償として、少しでも日銭を稼げたら、ということからスタートした企業です。社名の「エア」は、エアマットレスで寝てもらったことから命名したのだそうです。

民泊デビューの第一歩は、私がサイトから顔写真、クレジットカード情報などを含む個人情報を登録します。その後、大阪梅田駅近くの物件を探すと、駅から徒歩圏の約9000円で1Kの綺麗そうな部屋を見つけました。そこを予約すると、オーナーから私の携帯に「alohaー yoyaku arigato」のメールが…。これは日本人ではないと思い、ここからすべて、英語でのメール交換となりました。まず、最初の質問は、鍵の受け渡し方法です。回答は、「ベッドの上にバスタオルを置くのでその下を見てほしい」でした。「鍵がないのにどうやって部屋に入るのか?」と再度質問したところ、「部屋の鍵は開けておきます。管理人室がないので、心配いらないよ…」という軽いノリの回答が私を不安にさせました。その後のやり取りは良好でしたが、当日午後に着いてみると、サイト上の写真は最近改装したエントランスホールで、建物は築50年くらいのマンションでした。さすがに他人の部屋のドアを、しかも、鍵を開けずに入るのはドキドキしました。暖房はあったものの、その夜はとても寒かったです。約6畳の部屋にベッドが3台あり、20歳代の旅行ならこれもありかな、というのが感想でした。

民泊新法で年間180日の上限設定ができ、とても採算が合わないとの声をよく耳にする一方で、2016年4月に構造基準などが規制緩和された一方で年間宿泊数の上限がない「旅館業簡易宿所」の方が採算にのせやすいかもしれず、大手ホームメーカーM社が京都・嵐山で外国人旅行客向けに既に検討しているようです。「民泊」も「旅館業簡易宿所」も産業として健全に発展していくことを願っています。

次回は安全調査事務所 代表 公平有史氏