司法書士になろうと思ったのは私が18歳くらいの時です。当時、私はまだ高校生で、将来の先行きに不安を覚えていました。私の実家では三浦木材という林業を営んでおり、私が中学生の頃くらいから経営は傾き、高校になると父親も病気になり、いよいよこれは林業をやっている場合ではないと思っていた時期でした。私はこのままではいかん、なんとか父親の稼業を継がず、しかし世間の物事も知らないといけないと思いながら大学へ進学しました。当時から「抵当権」やら「担保」などの話を親と銀行員がしているのを聞き、こういった仕事はどんな者が行うのかという疑問からこの仕事にたどり着きました。
父親は私が大学卒業くらいに亡くなり、そこでは様々なことがありました。まずは親の借金を返せるあてもないので相続放棄の手続きをしなければならない。裁判所が言うには死亡から3か月以内だという。我々子供(私には妹がいます。)が相続放棄をしたら父親の親つまり、当時私にとって祖母が生きていたので、その祖母の相続放棄の手続きもしなければならない、その時祖母は認知症であり、私がその成年後見人となっていました。祖母の相続放棄をした後は父親の姉弟の相続放棄をしなければならない。父親の姉の一人は韓国籍の方と結婚したため、韓国から資料を取り寄せ、その翻訳をなんとかして進めました。
当時24歳ごろの私は司法書士事務所に勤めておりました。勤めながら、それらの手続きをやり、司法書士の勉強もしておりました。相続放棄の手続きは最終的には全て認められ、我々、親族としては無事に手続きは終わりました。当時その手続きを進めながら、司法書士事務所に勤務をし、毎日仕事が終わってから試験勉強をしておりましたが、とてもつらいものがありました。
司法書士となった今、いろいろなお客様がいらっしゃいます。私のように相続放棄の手続きをしなければならない方、相続のお手続きはするが、親族間でなかなかうまく進まない方、スムーズにいく方がほとんどですが、様々なお客様がいらっしゃいます。うまくいくことばかりではないのですが、この仕事を通じ、また私の経験等も何か人の役に立てばと思い日々精進しています。
次回予定は……税理士法人プロゲート仙台オフィス 仙台オフィス長 税理士 菅原大助 様