第8回 第10回

随想第9回

松坂 宏造 若い力を育む 仙台市教育委員会 委員長 松坂 宏造

東日本大震災から早くも2年半が過ぎましたが、震災は子どもたちに大きなダメージをのこしました。市教育委員会は子どもたちがそのダメージを少しでも克服し、故郷を愛する心を醸成しようという思いから「復興へ学校の力集結」を合言葉に「故郷復興プロジェクト」を設立しました。

その活動の一つとして、市内小・中学校190校の児童生徒、約8万人が願いを込めて折り鶴を折り七夕飾りを作り、仙台七夕期間中に藤崎百貨店前に飾り、観光客は勿論のこと多くの方々に感謝をあたえました。

このプロジェクトは震災前から市内児童生徒を対象に取り込んだ「防犯・子どもを守ろうデー」がベースになったもので、その他にも清掃活動やあいさつ運動など、多くの子どもたちが様々な活動に参加して参りました。また、地域ぐるみ、会社総がかりで仙台の「人づくり」を掲げ、仙台自分づくり教育として、仙台市商工会議所・宮城県中小企業団体中央会・仙台市PTA協議会等の協力を頂き、子どもたちが将来、社会的・職業的に自立できる力を育むために職業体験活動を実施しております。

私は不動産業を営んでおりますので職業的立場でもお手伝いをしたいという思いで数年前からこの活動に参加し、毎年小中学生を中心に職場体験活動の子どもたちを受け入れて参りました。子どもたちは職場体験活動に参加することにより、人と人とが向き合って話をしたり意見を交わしたりすることで働く人の苦悩や大変さそして楽しさなどいろいろな事を感じることができるようです。学校では学ぶことのできない様々な体験は、コミュニケーション能力や探究心を養う重要な要素があると思います。このことは子どもたちの将来に大きな影響と力を与えることと信じております。震災前も子どもたちは将来に向けて大きな力を発信しています。

私たち大人は子どもたちが心豊かにたくましく『生きる力』を育んでいくために様々な方面からサポートし育成していく義務があり、そして子どもたちが安全で安心して学べる環境づくりを真剣に考え、取り組んでいかなければならないと思います。

次回は、公益財団法人 仙台市スポーツ振興事業団 理事長 青沼一民氏